実録「平和の祭典 平壌の冷たい夏」(別冊宝島プロレス暗夜行路より)を読んでみた

皆様は過去、平壌にて新日本プロレスの興業が行われた事を知っているでしょうか?
時は14年前、日本ではオウム騒動の真っ只中に開催された事もあり、
プロレスファンやスポーツ誌購読者以外にはあまり知られる事が無かった
この興業の裏側を、前回の実録WJに続き、鬼才、原田久仁信氏が描くこの作品、
WJ漫画のコミカル路線がウケた事もあり、原田先生は今回もノリノリです。
狂言回し役は前回で同じくゴマシオこと永島氏(当時は新日本のフロント)。
アントニオ猪木の暴走に肝を冷やす永島氏、
莫大な資材運搬費やゲスト招聘費に頭を抱える永島氏、
同行プレスがしでかした不始末を北朝鮮に必死で謝りたおす永島氏、
その気苦労の数々が相変わらず楽しいですね。
そりゃブルさん口説いて羽目を外したくもなるわな。

今回いい味出しまくってるのは故・橋本真也氏です。
「おい、キムジョンイルって誰だ?」(出発前、説明の席にて)
「メシは何が出るんですか?」(同上)
「俺の(豊田)真奈美が取られるッ」(平壌、打ち上げの席にて)

本当に言ったかどうかはさて置き、そのフリーダムなキャラは漫画でも健在ですな。
そして外せないのがここ平壌で知り合ったといわれる佐々木健介、北斗晶夫妻。
平壌での夜、二人でヴァーしてる場面を偶然ホーク・ウォリアーが
目撃してしまったという逸話も余す事なく収録しております。


本書ではその他にも目ん玉飛び出るほどアレなWJの企画書や
ターザン山本が新雑誌の立ち上げを打診されて頓挫するまでの交渉風景など
スレたプオタにベストマッチな記事が満載。
買って損は無い一冊です(ただしネタ的に)。